テイクアウトとまちのチカラ Vol.1
2020.05.03不意に私たちの日常が変わり始めた3月。飲食店をこよなく愛し、毎夜のようにパトロールをしていた田中章さんは、その変化を身近に感じ粛々とテイクアウト生活を始めた。その姿がまちの機運を高めている気がして、今回無理を言って寄稿をお願いした。在りし日のまちの片鱗を感じ、今を踏ん張るまちのチカラが見えてきた。毎日連載5回スタート。
「八っつぁん 何だってなあ、
先ごろコロナ何てえものが
流行っていて
呑み屋にも行っちゃ
いけないらしいぜ」
「熊さん そのコロナってえのは
車のことかい ストーブのことかい
そんなものが流行っているからって
何で飲み屋に行っちゃいけねえんだい」
「馬鹿だなー おめー
新型コロナウィルス感染症っていう
訳の分からないものが流行ってるんだよ
流行り病だね だから人の
集まるところに行っちゃいけねえし
集まって呑んじゃいけねえらしいぜ
壇蜜 間違えた 三密がいけないんだよと」
「そりゃ大変なことだなあ
何とかしねえと 俺ら干からびちまう」
「それがよー 最近テイクアウトできる店
増えているみてえだから
行きつけの呑み屋から
食べてえつまみをテイクアウトして
長屋でみんなで呑むか」
「長屋の誰かんとこで集まっても
三密じゃねえのかい
壇蜜がいるならまだいいけど
こぎたねえ男が膝突き合わせて呑むのも
何か気が進まねえなあ」
「大丈夫だよ うちの長屋
それぞれ自分とこいても壁が薄いから
少し大きな声だしゃー
話ができるじゃねえか
お互いの顔を見ながら飲みたきゃ―
今流行りのミーティングアプリ使って
オンライン呑み会すればいいから」
「そうか 楽しいそうだな
よし テイクアウトして
みんなで一杯やるかー」
というような状況になっていますが
みなさん、どのように楽しんでますか