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コロナ禍でイノベーションを起こす、伊那谷の飲食店 きりの実・唐子亭オーナー片桐健さん【前編】

2020年から続く新型コロナウイルス感染拡大が、伊那谷の飲食業界にも暗い影を落としている。そんななか、新しい形でサービスを提供し続ける伊那谷の飲食店にスポットライトを当てて、未来への活路を探っていきたい。今回は、駒ケ根市「きりの実」「唐子亭」のオーナー、片桐健さんのプロセスエコノミー戦略について、前後編に分けてご紹介。

片桐オーナーがきりの実二代目となるまで

 

テラスから、南アルプスの
美しい山並みを眺められる、
駒ヶ根市のレストラン「きりの実」。
二代目の片桐健さんが
地域に20年間愛されてきた
この店を継いだのは、
6年前のことです。
 

学生時代に中国史に興味をもち、
2年間、中国へ留学をしていた
という片桐さん。卒業後は
県内の食品製造企業に就職し、
入社してすぐに中国の支社へ
配属されました。
 

片桐さんは、現地で
働き暮らしていくなかで、
日本と中国の食文化の違いに
大きな興味を持ち始めます。
そして「文化を伝える
仕事をしていきたい」
という思いが芽生え、帰国。
 

飲食店を多数経営する
都内の外食企業に転職して
10年間の経験を積んだころ、
両親が引退するタイミングが訪れ
店を継いで独立する
という道を歩み始めました。
 

新店舗を構えてすぐに訪れた危機

 

片桐さんは、先代が培ってきた
文化を継承しながら、
自身の経験やアイディアを駆使して
3名の社員を雇えるほどまでに
きりの実を成長させていきました。
 

そして2020年2月には、
駒ケ根市有数の焼肉店
唐子亭」を引き継ぎ、
リニューアルオープン。
個室があり、信州牛を扱う
高級焼肉店として、
順調にスタートを切りました。
 

そんな矢先に訪れたのが、
コロナ禍だったのです。
 


 

 

「目の前が真っ暗になりましたね」
片桐さんは、
当時をこう振り返ります。
政府からの時短要請により、
きりの実をテイクアウト営業に
切り替え、唐子亭を休業に。
 

一方、空いた時間を使って
情報収集にいそしむ日々。
そんななか、芸人であり
絵本作家でもある西野亮廣氏
の著書との出会いをきっかけに、
片桐さんは少しずつ
行動を起こし始めました。

 

後編>>>
 


松元麻希さん
フリーランスライター。9年間勤めた雑誌出版社を退職した後、2017 年に長野県松本市へ移住。2019年より地域おこし協力隊として伊那市へ移住し、ライターを続けながらアウトドアを切り口とした伊那市の観光振興に携わる。山登りやスキーなどのネタが得意&大好物。好きな食べ物はパンと野菜。おそらく前世は草食動物。Facebookグループ「いーなーイーツ」発起人。

 

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