5周年を迎える「暮らしの工房 こねり」の第一歩
2020.09.24コロナ禍で、多くのイベントは見送りを余儀なくされた。いつまでも先が見えない状況の中、5月に5周年を迎えた「暮らしの工房こねり」の大池夫妻は、葛藤しながらも8月末にアイリッシュミュージックライブを開催。夫婦の力強い決断が、私たちに気付きと癒しを与えてくれた。
イベント開催に至るまで
「コロナ禍で、
集いの場がなくなってしまうのも、
寂しいな、と感じていました。
できる限りの注意をしながら、
心地の良い場所、心地の良い音楽を
楽しむ場所を作りたかったんです」
8月下旬の、週末のある日。
中川村にある「暮らしの工房こねり」を
夫婦で営む大池さおりさんが、
アイリッシュミュージックライブ終了後に
こう語ってくれた。
整体と自家製酵母パンの提供をとおして、
体と心にやさしい暮らしを探求する工房。
中川村の、谷を見下ろす古民家に店を構え、
着実にファンを増やしてきたこねりは、
今年の5月で5周年を迎えている。
「混乱の渦中だった5月頃は、
とても5周年のイベントをする気には
なれませんでしたね。
でもミュージシャンの方々から、
7月頃にライブの話をいただいて
『屋外でやろう』ということになって。
私も夫も、やる気が沸き上がってきました」
大池夫妻を奮い立たせたミュージシャンは、
イベント企画や演奏活動を行う
株式会社Ode代表の小松大さん、
伊那谷で生まれ育ち
信州大学ケルトサークルS-Celtsで
アイリッシュ音楽に出会った
フルート奏者の瀧澤晴美さん、
同じく信州大学S-Celtsに所属し腕を磨いた
若きギタリスト杉野文俊さんの3名。
瀧澤さんと杉野さんは、
以前、こねりでライブをした経験があり、
この提案を持ちかけたそうだ。
ライブの開催が8月23日に決まり、
急ピッチで屋外ステージの準備を
進めたという大池夫妻。
夫の大池達也さんは、
1ヶ月を振り返り、話してくれた。
「敷地内の未活用の屋外スペースを
リノベーションして屋外ステージを作りました。
開催日ギリギリまで作業をして、
なんとか間に合わせることができて
よかったです」
こうして実現したのが、
「KONERI music&eat garden
アイリッシュミュージックライブ」なのだ。
風と光に包まれて、ライブは始まった
本番当日。
屋外ステージは無事に完成したものの、
演奏時間に、ちょうど雨降りとなる予報。
急遽、屋内で開催されることになった。
5年間をかけて、大池夫妻に
手を加えてられてきた古民家は、
屋内ながらも風が通り抜ける造りで、
換気は充分。
当日は仕切りの襖も取り払われ、
広々とした客席が用意された。
またこのライブのために、
会場内に生花が飾られ、
アイリッシュソーセージのホットドックや
桃とベリーのココナッツゼリーといった
特別メニューが販売された。
聴覚だけでなく、
五感のすべてで心地よさを感じる。
そんな癒しの空間に仕上がっていた。
リズムに合わせて、
体を揺らし、手を叩き、足を鳴らす。
風と光に包まれる店内で、
ミュージシャンの背後に
伊那谷の風景を眺めながら、
アイリッシュミュージックの生演奏を、
たっぷり2時間ほど堪能。
結局、予報よりも天候が回復し、
アンコールの演奏は、
屋外ステージで行われることに。
観客の盛り上がりもピークを迎え、
こねりの5周年を彩る、
記念すべき第1回目のイベントが、
無事に終わった。
「屋外ステージでの演奏が実現して、
こねり全体に一体感が生まれ、
パワーアップできたなと思いました。
今後はこの『eat garden』を使って、
外でも食べていただけるようにしたり
ワークショップを開催したり
していきたいですね」
9月20日(日)には、
「ひつじのおしり
& Naomi Tamura mini live」を行い、
こちらも無事、屋外ステージにて
演奏を行うことができたという。
今だからこそ必要な「楽しみ」を、
どうやって実現させていくのか。
暮らしの工房こねりの第一歩から
とても大切な気づきを与えられた、
夏の終わりだった。
松元麻希さん
フリーランスライター。9年間勤めた雑誌出版社を退職した後、2017 年に長野県松本市へ移住。2019年より地域おこし協力隊として伊那市へ移住し、ライターを続けながらアウトドアを切り口とした伊那市の観光振興に携わる。山登りやスキーなどのネタが得意&大好物。好きな食べ物はパンと野菜。おそらく前世は草食動物。Facebookグループ「いーなーイーツ」発起人。
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