伊那谷ふぃーる

人々の記憶

伊那谷つながりSTAND Vol.1

“森をつくる暮らしをつくる”をコンセプトに、長野県伊那市で森の資源を使った楽しい暮らしの提案を行っている株式会社やまとわ。そこで、森のコーディネート業務や広報を担当している榎本浩実さんをゲストに迎え、大阪出身の榎本さんが伊那で働くことになった理由や森とかかわるきっかけ、現在の仕事についてお話を伺いました。

伊那谷つながりSTAND
長野県南部に位置する伊那谷。
南アルプスと中央アルプスの間に広がる
この谷のヒト・コトと出会う場。
コーヒースタンドのように気軽に寄れる場を目指して、
伊那谷つながりSTAND(スタンド)と名付けました。
 

当日、オンラインセミナーの現場の様子

 

Vol.1
森と暮らしを繋ぎなおす
~榎本さんのしごと・暮らし・移住~
株式会社やまとわ ゲスト 榎本浩実さん
 

子供の頃の自然体験が自分のベース
 

ナチュラルでやわらかな雰囲気が魅力の
榎本浩実さん。
所属するやまとわの理念である
「豊かな暮らしづくりを通して、
豊かな森をつくる」を
体現するような存在です。
 

しかし、
「子供の頃、実は自然が嫌いでした(苦笑)」
というから、なんだか意外。
 

新興住宅街の大阪府富田林市で
自然を愛する両親に育てられた榎本さん。
 

週末には家族でキャンプに行ったり、
朝ごはんを食べるためだけに
川のきれいな場所に出かけたり。
 

おもちゃもプラスチックの
きれいなおままごとセットじゃなくて、
木でできたちょっとくすんだ色のおもちゃ。
 

「自然嫌いは、子供ならではの
両親への反抗心だったのかも(笑)」
 

いまでは、
「森に行くと、家族と一緒に過ごした
温かい思い出が蘇ります」と話し、
心の内と向き合えば、
幼少期の原体験が導くかのように
自然に近い暮らしを求めていました。
 

 

夢見た仕事に巡り会う 

人生をどう歩むか考えはじめたのは、
高校生で進路を決めるタイミング。
 

木が好きだといっても
共感してくれる友達は少なかったそう。
 

それでも、
「自然に触れる仕事がしたい」と
いう想いが募ります。
 

薪での焚き火、山菜採りや
キノコを作ったり、炭を焼いたり。
 

「里山暮らし」という
自分とは違う異世界の暮らしを知り
もっと知りたい、
木について勉強したいと
長野県木曽町にある
林業大学校へ進学。
 

在学中も、
ずっと森と暮らしをつなぐ、
森と暮らしに関わる仕事をしたいと
考え続けていました。
 

なかなかフィットする会社がないなと
思っていた時、
「森をつくる。暮らしをつくる。」を
企業理念に掲げる
やまとわとの出会いました。
 

それは、高校生の頃、夢見た仕事でした。
 

 

森から学ぶ子どもたちへ 

やまとわでは、
「森のコーディネート」事業も
手がける榎本さん。
 

舞台は、西駒ケ岳の麓にある伊那西小学校。
全校生徒50人余りの小規模な学校で、
校舎横の1ヘクタールほどの森の中に
「森の教室」があります。
 

森の自然と関わりながら、
榎本さんは、子供たちに
伝えていきたいことが
あるといいます。
 

「森の生態系の中で
不必要だと思われてるような
ちっちゃい葉っぱだったり、
ちっちゃな昆虫でも、
なくなっちゃうと
本当に困るぐらい大事な存在で。
 

子供たちに自分を投影してもらって、
友達よりも足が遅いとか、
歌が下手くそだったりとか
自己嫌悪に陥ってしまう時期って
あると思うんですけれども、
いらない存在なんてことはないんだよ
ということを森の学びを通して、
伝えていきたいなと」。
 

花が咲いている
新芽が出ている
そんな光景を見るだけでも
すごく幸せな気持ちになれる
という榎本さん。
 

子供たちにも、感受性豊かで
持続可能な社会への価値観を
育んでほしいといいます。 

榎本さんが、高校生で描いた夢は
今、地域の子どもたちへと
枝葉を伸ばしています。
 

榎本 浩実さん
株式会社やまとわ森事業部で、森のコーディネート業務や広報を担当。大阪府富田林市出身。里山文化と森林の関りを学びたいと長野県木曽町にある林業大学校へ進学。卒業後は、同町の地域おこし協力隊として活動し、任期終了後にやまとわへ入社。食べること、木と触れ合うことが何よりも大好き。

 

▼株式会社やまとわ
https://ssl.yamatowa.co.jp/
▼オリジナルブランド pioneer plants
https://pioneerplants.jp/