伊那谷ふぃーる

ライフ

Case2 山口麻衣子

職業は、美容師 イラストレーター 漫画家。家族のなかでは、母、妻、娘。やりたいことが多すぎて、人生の時間が足りない。そんなパワーみなぎる日常の記憶。

 
昔から親戚のなかではおもしろい子で通ってた
 

いつも弾けんばかりの笑顔が印象的な山口麻衣子さん。思いっきり笑ってくれるし、思いっきり笑わせてくれる。そんな麻衣子さんは、美容師で、イラストレーターで、漫画家で、2児の母。自分の子どもが通う幼稚園初の女性保護者会長を務めたりもしていたし、趣味だってゆうアイシングクッキーの腕前は、完全にプロの域。忙しい毎日をどう送ってるんだろうと気になる。だって、いつもすごく元気で明るいから。
 

子どもや夫に接する時も、美容師として接客する時も、イラストレーターや漫画家の仕事でも、自然に織り交ぜてしまうのがユーモアなんだそう。どんな時も「おもしろくしたくなっちゃう」って麻衣子さんはいう。
 

話を聞いていったら、「小さい頃から親戚のなかでは、おもしろい子で通ってた」っていうから、本質的に誰かを笑わせたり、自分が楽しむのが好きなんだと感じた。だから、麻衣子さんと話したくなるんだと思う。明るい気分をもらえるから。
 

 

 
美容師の母の仕事場についていってた幼少期 
 

「小さい頃に母が美容師をしていたのを覚えてる」。仕事現場についていって、仕事しているのを見ていたそう。お母さんは、麻衣子さんが小さい頃に美容師をやめてしまった。だから、その代わりに自分が美容師になりたいって思ったわけじゃなくて、気づいたら自然と美容師になっていた。
 

何か作れて、しゃべれる仕事が好き。だから美容師の仕事が大好きだという。お客さんが「こうなりたい」っていう要望を聞いたら、例えば髪質が全然違くても否定しない。「その人がそうしたいなら、私はそうしてあげたいと思う」。
 

松本の専門学校で学んで、就職して、地元が好きだったから戻ってきた。同じ美容師だったご主人に出会って、麻衣子さんが24歳の時、夫婦でお店を出した。
 

「大変だったな」。ヘアサロンを開くには、初期投資がかかるし、夫婦共に20代と若かった。オープンして3年後には長女が産まれた。臨月までお店に立ち続けた。
 

長女が産まれて体力的に本当に限界を感じた日。「初めて夫にまかせて寝ようと思って、長女を渡した瞬間、夫がぎっくり腰になって、すぐ渡し返された笑 そのまま限界を超えて長女をあやしたら、自分の限界って超えられるんだなって思った」。そんなエピソードも明るく振り返るのが、麻衣子さんらしい。
 

「美容師を辞めたいと思ったことは一度もない」とゆう言葉に羨望と一緒に覚悟を感じた。   
 

 
子育てをはじめてから見つけたエネルギー発散の場  

長女が赤ちゃんの時は、美容師も産休。大好きな美容師の仕事に打ち込んできた分、何かを形作り表現し、感性を出す場所がない日々にモヤモヤを感じていた。ふと、ネットでみた誰かの育児日記が目にとまって、自分も描いてみようと思ったのがきっかけ。「自分のために、自分をキャラクターにして絵にしたんです」。
 

子育ての一コマを切り取って、言葉をつけて、インスタで発信。1日4回、アップしていたこともあった。やり始めると、やり込むタイプだから、毎日毎日あげ続けた。インスタのフォロワーはどんどん増えて2万人を超えた。
 

美容師の仕事に復帰しても、第2子の長男が産まれても、絵を描くことを続けてきた。家族のクスッと笑える毎日を、4コマ仕立ての漫画やイラストでアップし続けている。「しんどい時もあったんですよ。自分の絵がわからなくなった時もあったし」。美容師も続けたい、イラストも続けたい。好きだから続けてきた。
 

いつしかそれは、プロの目に留まって有名サイトでいくつもの連載を手掛けるようになった。インスタグラマーは、フォロワーの数で評価されることがあるから、気にしたこともあったそうだが、気にしなくなった。数字のおかげで仕事につながったから、大切なのはわかっている。でも、書きたいことは、自分に軸をおいて、無理はしない。
 

 
祖父母が根ざした場所で生業をつなぐ 

結婚してから、小さい頃に暮らしていた麻衣子さんの祖父母の家に住んできた。昭和に建てられた家は、あちこちガタもきていたけれど、愛着を感じていた。
 

祖父母が旅行するたびに買ってきた提灯をかけていた釘。子どもが幼稚園で作ってきた絵や作品をかける場所として使っていた。日曜大工が趣味だった祖父が使っていた地下部屋や長い廊下は、自分が子どもの頃走り回っていた場所で、今は子どもたちが走り回っている。祖母が、いつも座ってた畳の場所に自分が座ることもある。
 

愛着いっぱいの家。だけど、家の傷みが気になるようになってしまったから、この場所にお店を建て直すことを決めた。今年は、夫婦で開いた美容室も11年が経ったタイミング。夫婦の新しいお店は2021年6月にオープン予定だ。「近所の人たちも小さい頃からの顔馴染みだから、ここでお店を開くことを喜んでくれています」。
 


 

美容師もイラストレーターも漫画家も、どれもプロ。子育て漫画のエピソードから、子どもや家族への愛情が伝わってくるし、「家事を夫に頼むなら自分でしちゃった方が早い笑」なんて笑ってたから、母業も妻業もプロだと思う。
 

「人生の時間が足りないって思ってる。やりたいことがたくさんあるから」。麻衣子さんの人生は、自分の心に素直に、好きなことに彩られている。

 

 
 

PROFILE
美容師 イラストレーター 漫画家 山口麻衣子
5歳から伊那で育つ。漫画家・イラストレーターとしても活動中!2015年に開設したインスタは現在フォロワー2万2000人を超える。そのパワーに溢れる、明るいキャラクターでオンラインでもオフラインでもファンが多い。

 

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<連載>サンキュ! たまひよONLINE/USAGI MAGAZINE/ゼクシィbaby赤すぐみんなの体験記/こそだてDAYS
 

 

photo by Rika Kubota text by Satoko Tanaka